お気に入りの作家に出会うと、デビュー作を読んでみたくなる。奥田英朗さんについてもそうである。去年の年末に『ガール
』を読んだのが、奥田英朗さんとの出会いで、続けて今年の初めに『マドンナ
』を読んで完全にファンになってしまった。この『ウランバーナの森
』が奥田さんのデビュー作にあたる。
これから読もうとしている方に、安易にストーリーをあかすのを避けている。どんな本でも同じで、そういう気持ちになる。この本は尚更かも知れない。原因不明の便秘に悩まされ、次々と霊的現象に巻き込まれる有名ミュージシャンの話、というのが一言で表現したあらすじである。
読み始めた時に、少々読みにくい感じを受けていた。やっぱりデビューしたての頃だから、この前読んだ本の文体とは少々違うのかなと思っていた。どうやらそうでもないらしい。後半に入ってくると、物語に引きずり込まれていることに気づく。そして、今日の行きの通勤電車の中では、びっくりするぐらい沢山のページ数を読みすすめることができた。こういう場合は、とても楽しく読ませていただいているので、それだけ面白かったということになるのである。
(5冊目/2010年度)
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