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卵の緒

 瀬尾まいこさんの小説は、『天国はまだ遠く』を読んだのが初めてだった。以降いくつかの作品を読み、好きな作家のひとりとなった。いつものパターンなら、好きな作家のデビュー作は早めに抑える。何故だかわからないけれど、瀬尾まいこさんのデビュー作を読むのが、遅くなってしまった。
 『卵の緒』は、タイトルの「卵の緒」と「7’s blood」のふたつの小説から成っている。どちらも家族をテーマとした小説だと思う。前者は血が繋がっていない家族だし、後者は血が繋がっている家族である。このふたつの作品によって、家族の絆とは何かについて表現しているのではないかと思う。
 どちらの小説にも共通点がある。物語のラストである。ちょっぴり悲しく、ほろ苦い結末なんだけど、明日へ向かって歩いて行こうという前向きさがある。かなり重たく、表現の仕方によってはドロドロとしているものなんだろうけど、瀬尾まいこさんが書くと前向きになる。そして後味は良く、自然に微笑ましくなるのである。人生と同じだと思う。
(64冊目/2010年度)
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