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こちらあみ子

[/caption] デビュー作にして、三島由紀夫賞と太宰治賞を受賞した作品「こちらあみ子」と書き下ろしの「ピクニック」のふたつの作品が収録されている。『こちらあみ子』は、装丁とタイトルに惹かれて買った記憶がある。ほぼ同時期に本屋さんに並んでいた小川洋子さんの『人質の朗読会』も同じ装丁だと思っていたら、彫刻が同じだった。土屋仁応という方の彫刻を使った装丁だったのです。本の内容と合っているかどうかは、良くわからない。 昨日から読み始めた『こちらあみ子』だけど、今朝読み終えた。ちょうど200頁くらいの本だったことと、読みやすい文章だったこともあるけれど、先へ読みすすめたくなる本だったことで、ほぼ丸一日で読み終えた。「こちらあみ子」も「ピクニック」も不思議な女性が主人公で、ストーリー展開はスリリングなわけじゃなく、起伏に富んでいるわけでもなく、どちらかと言えば単調である。だのに先へ先へ読み進めたくなる。どちらの作品もちょっと変わった主人公の視点について書かれているが、「こちらあみ子」の方がそういう色合いは濃い。「ピクニック」の方は周りを取り巻く登場人物の視点で書かれている感じだ。 はっきり言って、あまり理解できない主人公だけど、理解できないからこそ惹かれる場合があると思う。あみ子の純粋な視点は、僕がどこかへ置き忘れていたものではなく、元々持ってはいなかった視点なのだと思う。あみ子しか持ち得なかった純粋さがそこにあるような気がする。それが物語をどう左右させるのかを知りたくて、先へ先へと読みすすめた。面白くない小説ではないと思うが、面白い小説かと聞かれると答えに困る。一日で読了したのだから、面白くない筈はないけれど、自信を持って面白いと言える本ではなく、やっぱりそこらへんがいろんな賞を受賞している非凡さなのかも知れない。 (127冊目/2011年)]]>

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