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キャベツ炒めに捧ぐ

[/caption] 井上荒野さんという作家の本を読んだのは、この本『キャベツ炒めに捧ぐ』が初めてのことである。この本のことを知って初めて出会った作家だと言える。ネットで検索してみたら、案外著書も多いことに気付き、直木賞作家であることも初めて知った。しかもこの本を買ったのは、タイトルと装丁に惹かれるところが大きかったからである。そういう選び方をする場合があるのは、僕だけのことではないと信じている。書評などで内容を知っていなくても、たまには装丁の素敵さやタイトルに惹き付けられて買うこともあるだろう。 ある惣菜屋で働く三人の熟女の物語である。それぞれが切ない思いを抱えつつ、惣菜屋で美味しいものを作って売っている。そんな三人と絡む登場人物と、三人それぞれのいろんな話が、短編小説のように語られ、全体として流れを作る。三人の女性が交互に主人公となって、物語は進んで行く。それぞれに抱えるものはあるけれど、それが決して重くないように綴られているところが、サラッと読める淡泊な小説として仕上がっている。 初めて読む作家の本が、面白いか面白くないかの判定は、実は1冊だけでは難しい。いつか機会があれば、もう1冊読んでみて判定したいと思っている。また目に付いた本があったら、買って読んでみることにしたい。 (26冊目/2012年)]]>

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