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『なくしたものたちの国』角田光代

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人生にはよくある、いつの間にかなくなったものをモチーフとした短編集。『なくしたものたちの国』には、5つの短編が収録されている。そして、松尾たいこさんのイラストが30作品ほど掲載されている。角田光代さんの小説と松尾たいこさんのイラストの組み合わせは、過去にも『Presents』という本がある。

最も印象的だったのは、「晴れた日のデートと、ゆきちゃんのこと」だと思う。山羊のゆきちゃんの言葉がわかる少女の物語である。でも、実は短編はそれぞれ繋がっている。最後の「なくしたものたちのこと」で、主人公は大人になっている。なくしたものたちとの再会の場面も短編集にはあったりなんかするから、短編集の形ではあるけれど、ひとつの物語でもあるのだろう。

角田光代さんの作品らしく、心情表現が延々と続いたりして、ある意味読みにくさを感じたりした。それでも読んでしまうのだから、角田光代さんの作品は、人を惹き付けるものがあるのだろう。

いつの間にかなくなっているもの、大人になって行くに従って、なくしてしまうものもある。そういう喪失感のような、もの悲しさを感じる物語だった。
(96冊目/2013年)

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