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『オイアウエ漂流記』荻原浩

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トンガ王国東方にあるラウラ諸島共和国に向けて飛び立った飛行機が、悪天候のため墜落してしまう。乗り合わせた10人と1匹の犬は、無人島に漂着し、救助を待つ。『オイアウエ漂流記』は、そんな漂流生活を描いた長編小説である。

無条件に面白い小説である。でも、700ページ弱の長編なのだけど、ちょっと長すぎる気がしないでもなかった。先へ先へと読み進めたくなる面白さは、さすが荻原浩さんと思えるものだけど、それでも途中でひと休みしてしまったくらいだ。漂流者の主立った登場人物が交代で語る形式を取っているので、視点が変わり登場人物の本性みたいなものが垣間見えて、それがとても面白い。人間の見かけと内面のギャップが描かれているのかも知れない。

生きるために島の自然と戦うシーンや、生きのびるために大型の獲物を獲得するシーンなどは、とても生々しいもので、その描写が素晴らしいと思った。ユーモアだけでなく、真摯な場面も多々ある。

ラストが意外とあっさりしているのも、荻原浩さんらしいエンディングかも知れない。あっさり終わって、クスッという感じの小さな笑いが零れてしまう。そういう部分が荻原浩さんらしい終わり方だと思った。
(98冊目/2013年)

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