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『火の粉』雫井脩介

OLYMPUS DIGITAL CAMERA 雫井脩介さんの作品は、初めて読んだのは『つばさものがたり』で、その次に『クローズド・ノート』を読んだ。ふたつの作品とも、とても良い印象だったので、もっと別の作品を読もうと思っていたけれど、他の作品はちょっとテイストが違っている気がして、尻込みをしていた。 この『火の粉』は、人間の嫌な部分が見え隠れする作品だった気がする。これに比べると、ふたつの作品はさらりとした印象の小説で、対比するとこちらはどろどろしたものを感じる。 正直なところ前半は、とても嫌な感じを受けつつ、我慢して読み進めた感じだ。そのうち雪見という女性が描かれ出してからは、サクサク読めた気がする。この本の解説にもあったが、僕が読んだ3つの作品の共通点は、女性なのである。女性の心理描写が優れている作家さんのようで、しかも雪見という女性がこの物語の中では最も強さを発揮するのである。前に読んだ二つの作品でも、女性が際立っている。 いずれにしても、600ページに近い長編を、飽きさせずむしろ後半は物語の中に引き込んで、一気に読み進めさせるから、作家としての力量は素晴らしいと思う。他の作品もぼちぼちと読んでみることにしたい。 (21冊目/2015年)]]>

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