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『きいろいゾウ』西加奈子

OLYMPUS DIGITAL CAMERA 西加奈子さんのこの本の存在は、ずっと前から知っていて、ある時本屋さんで手に取って、よっぽど買って読もうかなと思ったけど、買わなかったことを覚えている。『きいろいゾウ』は、西加奈子さんの代表的な作品だと思っている。今回『サラバ!』を読もうと思って、それならこの本も読んでおきたいと思い、手に取った。 結構読むのに時間がかかった。飲み会があって、通勤の片道しか読書に使えないことが2日あったせいもあるけれど、ゆっくりと進んで行く物語のペースに、正直せっかちな僕にとって苛々してしまっていたくらいだ。でも、この本の独特の世界観は、想像してはいなかった。犬や蜘蛛や鳥から木や花の声が聞こえ、幽霊まで見えてしまうツマとムコさんの夫婦の物語だけど、この夫婦の生活そのものも、ゆったりとしたペースなのである。そのために、敢えて田舎に引っ越したのかも知れないけれど。 物語がある展開を見せるのが、ムコさんが昔の恋人に会いに東京へ行ってしまうところからである。ここからは、ページを捲るスピードが少しだけ上がった気がする。結局は夫婦愛を描いていると言ってしまうと、あまりに単純な受け止め方かも知れないけれど、この夫婦に関して言えば、この本独自の世界観の中でのみ存在するようなものである。小説とはそんなものかも知れないけれど、その独自な世界観がこの本の面白さなのかも知れない。 さあ、ちょっとひと休みして長編の『サラバ!』を読もう。 (34冊目/2015年)]]>

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