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『きりこについて』西加奈子

『きりこについて』西加奈子きりこについて』は、その冒頭から「きりこは、ぶすである。」と始めることで、結構びっくりした。意表を突かれてしまった。そんな書き出しなのだけど、ぶすのきりこと猫の物語と言ってしまうと、大雑把過ぎる。容れ物よりも中身が大事だという物語と言ったとしても、ちょっと浅すぎる。読み終えると、もっと奥深いものを感じる。猫が登場するのは、人間の世界とかけ離れた生き方をしている猫達という対比なんだろうと思う。 容れ物を気にする人間達をあざ笑うかのような、猫達が登場するのである。きりこはある時恋した相手の発言によって、自分がぶすなんだということを理解できず、自分を見失ってしまう。その後ある事件をきっかけに、再び自分を取り戻すというのが、この本のストーリーである。 容れ物か中身か、そういう論点ではなく、以下に自分らしく生きるか、自分らしいとはどういうことか、そういう奥深さが感じられる。最初はちょっと退屈な物語かなと思っていたのだけれど、後半からは物語の中に引き込まれ、一気に読んでしまった。読み終えてみると、とても面白い本だったと思う。 (99冊目/2015年)]]>

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