彩瀬まるさんの『骨を彩る
』。そもそもこのタイトルって、どういう意味なんだろう。あさのあつこさんが、解説の中でいろいろ書いているのだけれど、僕自身の言葉ではこのタイトルの意味は語れない。
難解で読むのに時間がかかった気はするけれど、実はメッセージ性が高くて、もう一度落ち着いて読んだら、きっとこの小説の良さがわかるんじゃないか、そんな気がしてならない小説です。暗いようで、そうでもないような、ただ静かに綴られている文章が、そんなイメージを持たせるのかも知れません。
この本を買ったのは、小泉今日子さんの『小泉今日子書評集
』にあった本だったからです。「誰にでもひとつやふたつあると思う。心や胸の痛みなんか通り越して、骨にまで染み付いてしまった思い。・・・この連作短編集は、そんな思いを骨に染み付かせた人達のお話だ。」この一節が、この本を端的に表していると思う。
ざわついて落ち着かない通勤電車の中では、この本をじっくり味わうことは難しいと思う。通勤電車の中で読むのに適した本は、ストーリー性のある小説なのかも知れません。こういう本は、家で落ち着いて読む方が良いと思う。文章をじっくりと味わいながら、少しずつページを捲るのが良いのだと思います。そういうわけで、もう一度読み返してみようと思っている本です。
(22冊目/2017年)]]>
