『週末カミング
』は、タイトルも装丁も面白そうな小説だろうと思って、ジャケ買いした本です。
柴崎友香さんは、『春の庭
』と『その街の今は
』を読んだことがあるのですが、僕にとっては読みにくい、つまり読むのに時間がかかってしまう作家さんの一人にカウントしています。ジャケ買いした理由は、これなら読み易くて面白いのではないかと言う期待値を感じていたからです。
でも、やっぱり読むのに時間がかかりました。書かれている内容が、あまり頭に入って来ていない感じでした。読み終えた後は、この短編はこういうことを書いているんだ、みたいなものは残ります。読んでいる途中は、この作家さんの作品はもう読まないだろうなと思っていました。読み終えると、何となくまたいつか買って読んでいる自分が、思い浮かびます。僕にとっては、そんな感じの作家で、それでいて読んでみたくなる作家のようです。
いろんな人達の「なんでもない週末」が描かれていますが、やっぱり同じ瞬間は二度と来ないわけですから、「なんでもなくない週末」を描いた作品と言えるでしょう。年末に寝込んだ人の週末は、とても親近感が湧くもので、僕にもそういう経験があります。そんな日常は、よくあるような気がしますが、やっぱり人生に一度しか来ない瞬間なんだと思います。
(77冊目/2017年)]]>
