No.1465『さよなら、ビー玉父さん』阿月まひる

『さよなら、ビー玉父さん』阿月まひる

客観的に見てつり合わない女性椿姫と結婚し、子供を授かったコン。
コンは、妻に対しても、子供に対しても、愛情表現ができないようだ。自己満足の塊のような言われ方だ。
物語は三章立てになっている。一番目は、離婚に至る経緯など、コンのダメさ加減が描かれている。でも、あまりダメさ加減が伝わって来なかった。特に素行が悪いとか、そういう意味のダメさ加減では無さそうだから。
愛情そのものがわかっていないのかも知れない。
ある日突然妻から縁を切られてしまう。子供の親権も妻の方に。
その2年後、息子がふいにコンを訪ねてくる。

第二章は、初めから登場している家出少女のキャロンの思いが描かれている。
不完全であるが故に、女性に好かれる男性は居る。母性本能をくすぐるのか。キャロンは、コンのことを好きなのだ。でも、それを感じ取れないし、コン自身もキャロンに側に居て欲しいと思っているものの、それが一番の思いではなさそうだ。
中学生になった息子が訪ねて来て、キャロンは自分の思いを息子にぶつける。

最後の章は、社会人になり、結婚した息子がコンに一緒に住まないかと申し入れる。
考えてみると、出来過ぎた息子である。
コンが愛情を知って行くことよりも、出来過ぎた息子の方が印象が強い。
コンのキャラクターが、今ひとつ理解できないところがある。
同居が始まるところまでは描かれていない。何となくふんわりとした終わり方だったように思える。
(72冊目/2019年)

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