No.1466『今日は天気がいいので上司を撲殺しようと思います』夕鷺かのう

『今日は天気がいいので上司を撲殺しようと思います』夕鷺かのう

タイトルを見れば、どんな内容の小説なのか、想像がつきそうだが、その期待を裏切らない。3つの短編小説から構成されている。直接的な繫がりは無さそうだけど、縁切りで有名な神社で繋がっているようだ。

3つの短編小説が収録されている。いずれも、撲殺したくなる上司が登場する。

一つ目の小説が、本のタイトルになっている。とんでもなく酷いパワハラ上司であるが故に、撲殺してやりたいという願いをとある縁切り神社の絵馬に書き込む。その後、不思議な夢を見るようになり、その夢がだんだんエスカレートして行く。その結末は、意外だった。

二つ目の短編は、「天井の梁」というタイトル。長いタイトルではない。
こちらもパワハラ上司が登場し、主人公をいじめまくる。主人公はやがて天井の梁に縄を引っかけるフックを見つける。上司の席の真上だ。そのフックを使って、首を吊ってやりたいという願望が芽生える。
ある夜とうとう我慢できなくなるが、その先の結末は意外なものだった。一つ目の短編とはちょっと違った結末だった。

最後の短編は、「引き継がれ書」というタイトル。この話も、パワハラ上司が登場する。仕事の第一線から外されているが、上司として存在しているが故に、部下で鬱憤を晴らしているかのように思える。そこに飛ばされて来た主人公とその同僚たちは、連帯感を抱く。

ずっと以前から引き継がれているファイル「引き継がれ書」は、上司への鬱憤を晴らすためのもの。部下たちが上司の悪口を書いて憂さを晴らすものだった。ある日、赤い文字で書かれたことが、上司の身に降りかかり始める。だんだんエスカレートして行くように思える。部下たちは互いを疑うが、果たしてその犯人は一体誰なのか。

三つ目の短編が、意外な結末だった。他と違っているから、意味があるように思える終わり方だった。
初めて読んだ作家さんだが、この本はとても面白かった。
(73冊目/2019年)

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