大森兄弟と言う作家は、初めて。どうやら実の兄弟で書かれているようだ。
海の者と山の者との争いを描く「螺旋プロジェクト」作品の一つ。このプロジェクトの中で、最も昔、太古の時代を描いた作品である。
太古の時代を表現するためか、意味の分かりにくいカタカナ語が沢山出てきて、正直なところ理解するのに時間がかかった。固有名詞なのか、そうでないのかも想像しつつ、読み取らないといけないので、ストーリーを読み取りにくかった気がする。
海の力で不死だと信じる海の民が暮らす場所に、ある日地震により境界が壊れ、海の民が住む場所へ逃げて来た山の民は、やがて戦うことになる。傷付いた海の民は、海の力で癒やそうとするが、効果が無いことを知る。
再び大地が揺れ、津波がやって来る。そんな海の力が書かれているが、山の民との戦いはどうなったのか、今ひとつ終わり方も良く理解できなかった。山の民なのに、海の民の中に入り、子供を産み落とした人物も中心的な役割をしているが、全体としてのストーリーを十分に読み取れなかった気がする。
(75冊目/2019年)