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No.1493『罪の轍』奥田英朗

No.1493『罪の轍』奥田英朗

久々の奥田英朗本格ミステリー作品が出たと思い、買ったのは今年の8月頃だった。
600ページ弱の長編なので、読み始めるのを尻込みしていたら、年が変わってしまった。奥田英朗ファンの奥さんは早々に読んで、「面白い!」と言っていた。

北海道礼文島で暮らす漁師手伝いの宇野寬治が主人公。時代は前の東京オリンピック開催前という設定が、今と重なっていて、何だか面白いなと思った。
その当時は、今よりも貧しかったのだろう。船を持っている漁師ではなく、漁師の手伝いをして暮らしている寬治は、非常に貧しい生活をしている。不幸な生い立ちから、脳に障害が出ているのか、物忘れをしてしまう寬治は、子供達からも「馬鹿」呼ばわりされている。そして、孤独だ。

窃盗癖のある寬治は、東京へ行くが、そこで起こった事件の容疑者として追われることになる。追いかける刑事は、落合昌夫。
ここから先は、ストーリーについては書かないが、とても切ない物語である。寬治の置かれた環境や生い立ち、そして罪を犯して、最後に実行しようとしたことが、何だかとても切ない。犯罪者を悪と言い切れないものがあった。

奥田英朗作品は、とても面白い。僕にとっては、決して外さない作家だと思っている。
この作品も例外ではなかったし、久々の本格的なミステリー作品で、とても面白かった。
(9冊目/2020年)

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