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No.1525『デトロイト美術館の奇跡』原田マハ

No.1525『デトロイト美術館の奇跡』原田マハ

120ページ程度の短い小説でした。文庫本ですが、巻末には著者の原田マハさんと鈴木京香さんの対談も収録されていました。
なぜ鈴木京香さんかと言うと、2016年4月から2017年1月まで日本で開催された「デトロイト美術館展」のナビゲーターをされていたからです。
ネタバレはできるだけ書かないようにしているのですが、この本については、少々ネタバレを含んでいるかも知れません。

物語は、あるアメリカ人夫婦の話から始まります。
デトロイトに長く住み、ずっと自動車工場で働いていた夫と彼を支える妻の物語です。
美術や絵画には縁が無い夫が、ある日失業してしまいます。夫の失業を機に、妻は彼を支えるために働くのですが、夫に時間ができたから、デトロイト美術館に誘います。
それがきっかけで、この夫婦はデトロイト美術館に通います。まるで友だちに会いに行くように。

ある日市は多額の債務を抱え、財政破綻をしてしまいます。
高額な絵画を有するデトロイト美術館は、閉鎖の危機を迎えます。
ここまで書くと、どのような奇跡が起きたかは、ある程度想像がつくかも知れません。
この夫婦の美術館への思いが、奇跡を起こすのです。もちろん、美術館への思いは、他の多くの市民も同じ思いなんだと思います。

ほっこりする、温かい物語でした。
単純と言えば単純、奇跡なんでしょうが、起こるべくして起こったのかも知れません。
絵画などの美術品は、かけがえの無い市の財産なんです。
財政破綻したからと言って、それを売却してしまうと、二度と会えなくなるのです。
そういう物はとても貴重です。
お金には換えられない大切なものがあるのです。
(41冊目/2020年)

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